目次
アブラハムからイサクへ
前回は二回に分けてアブラハムの話をまとめました。今回はアブラハムの待望の息子イサクの、その後のお話になります。アブラハムの祝福を受け継ぐイサクの話から、神の選ぶ道が最良だと学ぶことができます。また神の選ぶ道からそれてしまったときに起きてくること、またその対処法なども描かれていて、神の祝福を受け取るために、ぜひ読んでいただきたい聖書箇所です。
今日の私のランチは、ハンバーグランチです。目玉焼きの下にチーズ入りハンバーグが隠れています。デザートはカフェ手作りのラズベリーチーズケーキです。おなかも満たされて、神の恵みに感謝しながらスタートです。皆さんも美味しいものをしっかり楽しんでくださいね。
神の約束の子イサク
アブラハムとサラは、長い間子供がありませんでした。そんなアブラハムに神は空の満天の星を見せて、アブラハムに必ず子供が生まれる事、そして子孫は空の星のように数えられないほどになると約束されました。
その後、アブラハムには、妻サラの女奴隷ハガルによってイシュマエルという男の子と、正妻サラによって待望の息子イサクを授かります。神の祝福は妻サラの息子イサクが受け継いでいきます。
ちなみに「イサク」という名の由来についても書かれています。アブラハムが神から息子を与えるとの語りかけがあったとき、自分が高齢だったために信じられず笑ってしまいます。そのために神が「彼は笑う」という意味の「イサク」と名付けるように命じたところからきています。神はアブラハムの背きの笑いを、喜びの笑いに変えてくださったのですね。
イサクが大きくなると、神はアブラハムに、イサクをいけにえとして焼き尽くして捧げなさいと言われます。この大きな試練にアブラハムは従い、イサクの心臓に向けて刀を振り下ろします。このアブラハムの神に従う心が認められ、神はイサクのいけにえを思いとどまり、アブラハムに返します。またアブラハムはその信仰の強さから、「信仰の父」と呼ばれ祝福を受けていきます。
イサクの花嫁
アブラハムは神に祝福され何不自由なく暮らしていました。年を重ねたアブラハムは、愛するイサクのために、お嫁さんを探すことにします。長年アブラハムに仕えていた信頼するしもべに、アブラハムの故郷からイサクのお嫁さんを探してほしいと頼みます。
しもべはこの願いを聞き、アブラハムの故郷に向かいます。しかししもべは、神がイサクに選ぶ女性をどのように見分けるのかわかりません。しもべは、アブラハムの故郷にたどり着くと井戸のそばで一息つき、そして神に祈りました。イサクの花嫁となる娘に会ったときに見分けられるようにしるしを求めます。その娘が旅人であるしもべに水を飲ませてくれて、また連れているラクダたちにも水を飲ませるようにしてくださいと祈ります。
神はすぐにこの祈りに応えてくださいます。しもべがまだ祈り終わらないうちに、彼のそばにある井戸に一人の娘リベカがやってきました。娘リベカは井戸から泉へと、水をくむために降りていきました。水を汲んできたリベカに、しもべは水を飲ませてほしいと頼みます。これに対して、リベカは快くしもべに水を分けて飲ませます。そして自らすすんで、彼のラクダたちにも水を飲ませることを申し出て、ラクダが満足するまで水を飲ませてあげます。
ラクダは一度に100L前後の水を飲むと言われています。またしもべは何頭ものラクダを連れていたようですから、リベカのくむ水の量は相当なものになります。何度も井戸から泉まで往復したはずですから、かなりの労力だったはずです。
しもべはこのリベカのかいがいしい作業を見ながら、神の導きの娘であることを確信します。彼女に金の鼻輪と腕輪を贈り、早々に、リベカに彼女の家族を紹介してほしいと頼みます。リベカは快く彼を家に招き、しもべは彼女に家に泊まることになります。
しもべは、神がこのイサクの花嫁を見つける旅を成功させてくださったと喜び、祭壇築き神に礼拝を捧げます。これまでのお話でも触れたのですが、いつでも神の存在があることを覚えて、神に感謝し礼拝を捧げることは、祝福につながっていきます。
しもべの主人アブラハムとリベカの家族が親類であることが分かったこともあり、リベカの父ベトエル、兄ラバンはとても喜び、リベカをイサクの花嫁として送り出します。イサクはリベカを花嫁として迎え、二人は夫婦となります。
リベカのした親切を思うと、「情けは人のためならず」ということわざを思い出します。神は人を通して人間一人ひとりの行いを見ておられます。神に喜ばれる生き方をしたいですね。
双子を授かるリベカ
この時イサクは、母サラを亡くしたばかりでしたから、リベカはイサクにとって慰めの存在となります。そして父アブラハムもイサクに財産をすべて譲り、長寿を全うして天に召されます。その後イサクに子供が生まれます。
リベカは不妊の女性だったようですが、イサクが神に祈ると、神は応えてくださりリベカは双子をおなかに宿すようになりました。ところがこの子供たちはリベカのおなかの中で押しのけあって、落ち着かない様子でした。そのためリベカは、この双子が生まれる前から不仲であることに不安を感じ、神に祈り尋ねます。
神がリベカに示されたことは、この双子の子供たちは、それぞれ別々の国民に分かれていくこと、そして弟の国民の方が強くなり、兄の国民が弟の国民に仕えるという神のご計画でした。
兄エサウと弟ヤコブの誕生
リベカは無事に双子を出産します。最初に出てきた兄は全身が赤くて毛深かったために、その様を現す「エサウ」と名付けられました。あとから出てきた弟は、兄エサウのかかとをつかんで出てきたために、「ヤコブ」と名付けられます。所説あるのですが、この兄のかかとを掴んでいたことから、ヤコブとは、「人を出し抜く」とか、「足を引っ張る」といったネガティブなイメージを含んでいるという説もあります。
大人になった二人の特徴をわかりやすくまとめてみます。
兄エサウ
巧みな狩猟者となります。アウトドア派、活発であったようです。父イサクは肉料理が好きだったために、弟ヤコブよりも兄エサウを愛します。
弟ヤコブ
穏やかで天幕に住んだとあります。インドア派で室内で母と過ごすことが多かったのか、母リベカに愛されます。母リベカから料理を教わっていたかもしれません。
二人が立派に成長したある日、兄エサウが狩りから帰ってきました。家では弟ヤコブが煮物を料理しています。おなかがすいていた兄エサウは、弟ヤコブにその煮物を食べさせてほしいと頼みます。それに対して弟ヤコブは、兄エサウに交換条件を出します。兄の長男としての権利を譲ってくれるなら煮物をあげるというのです。
兄エサウはおなかがすいていて、長男の権利の意味を深く考えていなかったもかもしれません。簡単に煮物と引き換えに、この「長子の権利」を弟ヤコブに譲ると誓ってしまいます。
弟ヤコブは、兄が空腹であることに漬け込み、「長子の権利」を横取りします。また兄エソウは目先の欲に心を奪われ、「長子の権利」を軽んじてしまいます。
神の道からそれたイサク
この「長子の権利」をきっかけとして、弟ヤコブを中心に大きなお話になっていきます。このヤコブ物語は次回以降にまとめたいと思います。
話は父イサクに戻り、イサクの行いから神の祝福を受け取る秘訣を学んでみたいと思います。
イサクの住む土地に飢饉が起こりました。イサクは、この飢饉のためにエジプトに移り住もうと考えます。当時エジプトは先進国であり、多くの人が出稼ぎに来るような大きな国でした。
そんなイサクに神が現れて、エジプトに行かずに神の命じる土地に住むことを命じます。それにより神はその土地をすべてイサクとその子孫にあたえること、子孫を天の星のようにおびただしく増やすことを約束されます。神はイサクに、神に従ったアブラハムがどれほど祝福されたかを思い出すように諭します。
イサクはこの神の言葉によって、エジプトにはいかず神の約束の土地カナンに留まるのですが、その土地の中でもエジプトに近い南の端のゲラルという地方に移り住みました。約束の土地ではありますが、その中心からは外れていました。
神の選ぶものがベスト
ゲラルに移り住んできたイサクたちをみて、土地の人々はイサクに、妻リベカの事で訪ねてきます。妻リベカはとても美しい女性でした。イサクは土地の人々が、夫であるイサクを殺して妻リベカを奪っていくのではないかと恐れていました。イサクは妻リベカを、妹だと偽ってしまいます。
ゲラルの土地の人々は、リベカに近づき親しくなろうとします。そんな時、国の王がイサクとリベカが仲良く触れ合っている姿を見て、二人が夫婦であることに気が付きます。そして王はイサクに問いただし、国の人々にリベカと罪を犯さないように言い渡します。
イサクが移り住んだゲラルという場所は、神の望んでいる場所の中心からは外れていたので、いろいろと問題が起きていたようです。人間は神に近いほど祝福を受け、離れるほどに障害が出てきます。神の中心から外れていたイサクは、神から受ける力が弱くなっています。イサクは土地の人々を恐れてしまい、嘘をついています。それでも神は妻リベカが不貞の罪を犯さないように、またイサクからリベカが奪われないように守ってくださいました。
神は、私たち一人ひとりに、またこの世界全体にご計画を持っておられます。神のご計画とぴったり一致していると、物事はスムーズに進み、人はその流れに合わせて自然に調和していきます。イサクは飢饉を心配して、神の命じる場所からずれてしまいますが、本来の神のご計画ではありません。神は人間の意志を尊重して譲歩してくださいますが、神の考えとずれていれば問題や障害が起きてきます。
神が一番望まれることは、人間一人ひとりが神のご計画に従うこと、従うことを通して神のを祝福を最大に受けることです。神を第一にするなら、神が与えたいと思っている祝福を受けることができます。神の力に満たされて、自信をもって正しく生きていくことができます。弱気になって人を恐れることもなく、嘘をつくこともありません。自分の状態を常に確認し、神の道から外れていないか確認したいですね。
井戸掘りイサク
神の道を外れてゲラルに住み続けるイサクですが、神は父アブラハムに誓った祝福のためにイサクにたくさんの恵みを与えてくださいます。
イサクがその地に種をまくと、その年のうちに100倍の収穫をえます。彼の富は増え、栄えて非常に裕福になります。羊も牛も、彼に仕える人々も多くなり、人々からねたまれるほどでした。
ねたんだ人々は、イサクの父アブラハムが掘った井戸をふさいで、土で埋めてしまいました。そしてついには、イサクはその地の王から、ゲラルの地を去るように言い渡されます。
そのためイサクは土地を離れて、谷の方に移り住みます。そして埋められてしまった父の井戸の一つを、再び掘り起こします。ですが井戸を掘り起こすと、その地の人々が井戸を横取りしてしまいます。
仕方なくイサクはその井戸を譲り、その地を離れ、別の井戸を掘ります。しかし、この井戸もまた横取りされてしまいます。
またイサクは井戸を譲りその地を離れ、他の井戸を掘ります。ようやくこの井戸を奪いに来る者がいなかったので、イサクは神の守りを感じ感謝をささげると、自分の故郷に戻ります。
土地の人々にねたまれること、そして井戸を奪われることを通して、イサクは土地を転々と移り住むことをになりました。移り住むたびにイサクは自分の故郷に近づき、最後は神の与えた安住の地の中心に戻ることになりました。神のアブラハムから続くご計画は変わることがなく、イサクが背いても、神のご計画の通りに動かされていきました。神のご計画は祝福を与えてくださいます。
神のもとに戻ったイサク
イサクが故郷に戻るとその夜神が現れ、父アブラハムに誓った子孫の約束を、再度誓われます。
イサクはこの神の祝福の約束に対して、神に祭壇を通して感謝を捧げます。この礼拝を捧げる行いは、神の祝福につながります。ぜひ教会の礼拝に出席して、神の祝福を受けていただけたらと思います。
争いの無くなったイサクは、使用人たちと共に安心して新しい井戸を掘り始めます。
すると、イサクを迫害した国の王が仲間を連れてイサクのもとにやってきます。彼らはイサクを追放したのですが、イサクが富を築き祖国で祝福されている姿を見て、イサクが神に守られていること知り、和解を求めてやってきました。イサクはこの和解を受け入れて、彼らをもてなします。ともに飲み食いし和平を結びます。
すると直後に、新しく掘った井戸からようやく水が湧き出てきたという報告が入ります。神の祝福は、神の喜ぶ行いによって引き寄せられてきます。迫害した人々を恨まず、平和を保つイサクの姿勢は見習いたいものです。
神に近づくほど祝福を受ける
神の道に戻り礼拝を捧げたことで、イサクと神の関係は修復されます。イサクは神の忠告に従わず約束の土地を離れてしまいましたが、神のもとに戻ると、神とイサクの距離がぐっと縮まったことがわかります。神はイサクに直接現れて、イサクに祝福を約束しています。ゲラルでは神はイサクに現れることはなく、またイサクも神に礼拝を捧げている姿が見られません。神とイサクの間に距離ができていました。
イサクが故郷に近づくほどに問題が消えていき、最終的には故郷で良い井戸を手に入れることができました。神との距離が縮まるほどに、イサクを攻撃していた人々との関係が改善し、最後は友好関係を築くことができました。
神はイサクを祝福の中心に戻すため、人々のねたみを使ってイサクを移動させました。王から追放され、掘った井戸を横取りされ、ついにイサクは故郷に戻りました。ここでお手本になるのは、イサクが無駄に争うことなく、状況を受け入れて退いていることです。神を信じて不遇を静かに受け入れることが、神のもとに戻る近道になりました。人はどんなにあがいても神の計画に背くことはできません。理不尽な扱いを受けても、神を信じて退くなら、神の祝福がやってきます。
理不尽な思いをしたことのない人は一人もいないと思います。ですがどんな状況にも神がおられます。神を信じ従うなら、必ず明るい未来が待っています。聖書を通して、神の祝福を受ける秘訣をぜひ手にしていただきたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。また次の記事でご一緒できることを楽しみにしています。皆さんに、神の守りと祝福があることをお祈りしています。