神に従い故郷を離れる
今回は聖書の登場人物でも欠かせない、アブラハムのお話をまとめてみたいと思います。アブラハムは「信仰の父」と呼ばれるほどに、神を愛し信頼し従う心をもつ人物です。アブラハムを通して全世界が祝福されると神が約束なさった人物でもあります。このアブラハムから、神の愛と祝福を受ける秘訣を学んでいきたいと思います。
私の今日のおともは、お気に入りのカフェのクロックムッシュと、グアテマラコーヒーです。ベシャメルソースとチーズの組み合わせは、幸せな気分になります。グアテマラコーヒーは酸味が程よく、グリーンアップルの甘みが感じられるとのこと。試してみると、くせがなく飲みやすく美味しかったです。皆さんも、お食事やお好きなスイーツと一緒に気軽に読んでいってください。
アブラハムはもとは「アブラム」という名前で、ノアの息子の一人であるセムの子孫として誕生します。改名するまでは「アブラム」として進めていきたいと思います。
アブラムは、メソポタミア地方のウルという地で、裕福な放牧民の家に生まれたとされています。アブラムの父テラは、アブラムとその妻サラ、アブラムの甥ロトを連れて、故郷のウルを離れます。
一家はカナンという現在のパレスチナに移り住むために故郷を離れるのですが、途中のハランという町に住み着いてしまいます。彼らにとって住みやすい所だったのか、または父テラが高齢になっていて移動が難しくなったのかはわかりませんが、その地で長く過ごすことになったようです。
その後父テラはその地で生涯を閉じることになります。その時、神はアブラムに現れて命じます。
★「あなたは、ここを発ちなさい。あなたの親族も住み慣れた地も捨てて出かけるのです。行く先はわたしが教えるから、ただ示されたとおりに進みなさい。」
また神は続けて言われます。
★「そうすれば、あなたを偉大な国民の父にしよう。あなたを祝福し、その名を広めて、だれ一人知らぬ者がないようにしよう。あなたによって、ほかの多くの者も祝福されます。 わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたをのろう者をのろう。アブラムによって、全世界が祝福されるのです。」
聖書の後の記述によってわかるのですが、実は神がこのように語るのは2回目です。一度目は父テラの意志で家族を連れてウルから旅立ったように記載されているのですが、これも神が語りかけていたことでした。一家は途中ハランに住み着いてしまいましたが、神のアブラムに対する計画を変わることはなく、神は再度旅立つようにアブラムに命じられます。
神の変わらないご計画
神が決められた計画は私たちにもあります。神は私たちひとりひとりを目的をもって造っています。人がその目的に外れた生き方をするなら、神は何度も語りかけられます。自分では満足している環境であっても、神の計画と違うならその道は閉ざされます。私は体調を崩して仕事を変えることになりましたが、現在の自分のペースで働きながら聖書の話を伝える、という生活がとても祝福されていることから、これが神の導きなのだと実感しています。
神はアブラムに、「行く先はわたしが教えるから、ただ示された通りに進みなさい。」と言われています。アブラムはハランで十分成功していたようですが、素直に神に従います。目的地も知らされていませんが、安泰の生活を手放し出発します。アブラムの神を信頼する信仰の強さが感じられます。
また続けて「偉大な国民の父としよう。あなたを祝福し、その名を広めて、だれひとり知らぬ者がないようにしよう。」とあるのですが、本当に高齢の方から子供までこの名は広く知れ渡っていますよね。アメリカ大統領、また童謡にもアブラハムの名前が出てくるのは、神の約束のゆえかもしれません。
そして神の計画の通りに、アブラムを通して多くの者、全世界が祝福されいきます。その計画は今なおも続いていて、実はまだ完了していないのですが、聖書全体を通して明らかにされています。
神の祝福は、アブラム一人で終わる物ではなく、周りの人々から全世界に広がっていくものです。私たち一人ひとりも、神に従うなら個人の祝福だけでなく、周りをも巻き込んで祝福されていきます。全世界とは言わなくても、あなたの周りは幸せであふれるようになるでしょう。
アブラムが妻サライと甥のロト、ハランで成功して手に入れた家畜や奴隷と一緒に、神の目的地カナンにたどり着いたとき、神は「この地をあなたの子孫に与えよう。」と言われます。アブラムはこれに対して、喜びすぐに祭壇を築き神に祈りをささげたとあります。祭壇を築くとは、現代でわかりやすく言えば礼拝をささげる事にあたります。
その後アブラムも甥のロトも大変祝福され裕福になり、家畜、金銀、使用人がたくさん持つようになりました。アブラム、ロトのたくさんの家畜のため、両家の住む場所が狭くなり、生活に支障がでます。また、彼らが移り住む前からそこに住んでいた住人に襲われる可能性があったこともあり、アブラムはロトに別々に暮らすことを提案します。
アブラムはロトにとって叔父にあたりますが、偉ぶることなく、ロトに先に好きな場所を選ばせます。ロトはこの申し出に甘えて、まるでエデンの園に見えるような、水が豊かに流れ、作物が豊かに実る平地を選びます。アブラムは住んでいる地に留まり、別々に暮らし始めます。
礼拝は祝福の源
そしてロトが行ってしまうと、神がアブラムに現れて言いました。「 その土地をすべて、あなたとあなたの子孫に与えよう。 わたしはあなたの子孫を増やそう。海辺の砂のように、数えきれないほどの数に。 」この神の祝福の語りかけに対して、アブラムは祭壇を築きます。
アブラムは目的地カナンにたどり着いたときも神から「この地をあなたの子孫に与えよう。」と語られ、それに対して祭壇を築き、神に礼拝をささげています。
神の祝福を受け取る秘訣となるのは、ノアの箱舟でも触れたのですが、礼拝をささげる事です。
教会では基本毎週日曜日に礼拝が行われています。これは神に感謝と喜び、また自分自身をささげる事であり、神の厚意に預かり祝福を受けるために必要なものです。箱舟を造ったノアも、アブラムも、またこの後登場する人物も、祝福を受けた人は必ず祭壇を築き礼拝を行っています。
一方で、ロトは平野に下って、楽園のように見える地、ソドムの町の近くに住みつきますが、ソドムの住民はひどく悪質で、主に背くようなことばかりしていました。後にこのことがロトにも災難を招くことになります。
ロトを救出
そのころこの地域で争いが起こったとあります。アブラムの甥のロトが住む町のソドムが敵に侵略され、人々や彼らの財産、食糧が奪われてしまいます。ロトも捕虜にされ財産も奪われてしまいました。
それを聞いたアブラムは、仲間を380人を連れて出陣します。そして敵からトロと財産、他の捕虜となっていた人々をすべて取り返しました。
後に詳しく出てくるのですが、ソドムの人々は神に従わないために、神の裁きを受けてしまいます。
ロトもアブラムと別れて住む地を選ぶときに、土地の豊かさばかりに目を向けて、神の意向に目を止めていなかったのではないかと思います。肥沃の地ではありましたが、神によって滅ぼされてしまいます。何かを選択するときは、人間が良いと思う物ではなく、神が保証してくださるものを選びたいものです。
子孫の約束
そののち神が幻の中でアブラムに現れ、「アブラムよ、わたしがあなたを守り、大いに祝福しよう。」と語られました。しかしアブラムと妻サライとの間には子供がありませんでした。そんなアブラムは神の祝福に対して悲観的でした。息子がいなければ、どんなに祝福していただいても、財産は他の親族が相続することになるからです。そんな思いのアブラムに対して、神は強く約束されます。
「いや、そんなことはない。ほかの者があなたの跡継ぎになることは決してない。財産を相続する子が、あなたに必ず生まれる。」
続けて神は、アブラムを外へ連れ出し、満点の星空をの下に立たせて言われます。
「空を見なさい。あなたの子孫はあの星のようにとても数えきれないほどの数になる。」 「カルデヤのウルの町からあなたを導き出したのは、このわたしだ。この土地を永遠にあなたのものとするためだ。」
アブラムは神を信じました。神はアブラムの信仰を認め、神の契約が結ばれます。
息子イシュマエル誕生
神からの約束があっても、なかなかアブラムとサライには子供ができませんでした。それに耐えられなくなったサライは、女奴隷のハガルによって跡継ぎをもうけようと提案します。これは当時の習慣として行われていたそうです。それに対してアブラムは同意し、二人はハガルによってイシュマエルという男の子を授かることができます。
ここでハガルによる傲慢の罪を見ることができます。妊娠したハガルは、傲慢になりサライを見下すようになります。怒ったサライは、ハガルをこの一家から出してしまします。その後神の計らいで、また戻ることができるのですが、身を低くして主人に仕えなさいと諭されています。いつでも謙遜であることは大切ですね。
再び約束される神
そののち、アブラムが99歳になったとき、再び神が現れ契約を結ばれます。
大きくまとめると、
Ⅰ アブラムの子孫を数えきれないほど増やし、たくさんの国々をつくるということ。
Ⅱ カナンの地をアブラムとその子孫に与えるということ。
Ⅲ アブラムと子孫を祝福するということ。
また、この契約のしるしとして、男子はみな割礼を受けることが義務付けられました。割礼とは性器の包皮の一部を切り取ることであり、割礼を受けていないものは、祝福を受けられません。
また、神はアブラムと、サライの名前を祝福の名前に変えます。
「アブラム」は「アブラハム(国々の父)」へ、
「サライ」は「サラ(女王)」となります。
そして神は、100歳のアブラハムと90歳のサラに子供が生まれると言われます。ハガルが生んだ息子イシュマエルがではなく、サラとの間に生まれる男の子の子孫を増やし、祝福することを約束されました。
これを聞いたアブラハムは、自分たちが高齢であることを思い心の中では笑ってしまいます。またのちにサラも、同じようにこっそり笑うのですが、ちゃんと男の子が与えられます。神は必ず約束を守られるお方です。
次回はこの続きをまとめたいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。また次の記事でご一緒できることを楽しみにしています。皆さんに、神の守りと祝福があることをお祈りしています。