申命記①祝福を管理しよう

祝福の前に

今回はから、申命記に入ります。イスラエルの人々は、エジプトを脱出してから四十年荒野を旅してきました。いよいよ、神が与える良い土地カナンに入る準備に入ります。

申命記は、これまでのイスラエルの人々の出来事を振り返り、神の愛と恵み、人々の罪とその裁きを学ぶ箇所です。神を愛し畏れ、約束の土地カナンで、神に従い祝福を受けて幸せに暮らすためです。そして彼らの、人間の想像をはるかに超えた祝福を通して、世界中の人々に神の愛と力を示していくためです。

これはイスラエルの人々のみならず、全ての人々に当てはまります。

イエスキリストを信じて罪から救い出された者は、エジプトから救い出されたイスラエルの人々同様に、神の命じることを守り、正しい生き方をすることが求められます。

申命記を通して、神の命じている正しい道と、神に従うことで受ける祝福を学んでいきたいと思います。

今日のお供は、タリーズコーヒー&ティーの北海道産小麦のルラードというロールケーキです。しっかりしたスポンジで食べ応えがあります。神の美味しい恵みに感謝を捧げながら、学んでいきたいと思います。

過去から学ぶ

四十年の旅の間に、イスラエルの人々の世代は入れ替わり、人々のほとんどが新しい世代となります。彼らは祖父母の世代がエジプトで奴隷として苦しんできたこと、その苦しみから神が助け出してくださったことなどを聞いて育っていますが、実際に体験はしていません。

祖父母の世代に代わって神の祝福を受け継ぐ新しい人々は、これから神の約束の土地カナンを所有し、その地で神の命じることを守り、正しく生活していく使命があります。

彼らが心から神を愛し従うためには、過去の歴史から学び、理屈を超えて、心から神を理解する必要がありました。

モーセは、新しい世代にこれまでのイスラエルの人々の辿った歴史を語り、人々を祝福すると誓った神の愛と、神に背くことで受けた裁きを教えていきます。

イスラエルの人々は、神の約束の土地カナンの目の前を流れる、ヨルダン川の向かいの、モアブの草原に到着します。ようやく四十年の荒野での旅が終わり、川を渡ってカナンに入る日が近づいています。

モーセは古い過去ではなく、比較的最近起きた、記憶に新しい出来事から語り始めます。

一つ目は、神が人々に、ホレブにあるシナイ山を出発して、カナンに向かうように命じたところです。神は約束の土地カナンを攻め取るように命じます。

神は、カナンの地はもうすでにイスラエルの人々の物だとはっきりと語り、その広大な土地を攻め取るように命じられます。この時のイスラエルの人々の人口は、二百万人は超えていたと思われますが、それでも他の民族と比べるとまだまだ小さい方です。その小さな民族が攻め取れるとは考えにくいほどに、その土地は広大で、作物や家畜が豊かに育つ肥沃の良い土地でした。

それほどの良い土地ですから強い民族が奪い合って、すでにその地に住み着いています。

人間から見ると攻め取るのは不可能に思えるのですが、神はその土地をイスラエルの人々に与えたと言われます。

人間には信じられない事でも、神が約束されたことは必ずその通りになります。

イスラエルの人々は、神がカナンの土地を与えると約束してくださったのにも関わらず、信頼せずにエジプトに逃げ帰ろうとしました。神への不信の罪を犯した人々は、土地を手にする祝福を逃し、生涯を荒野の旅で終えることになります。

新しい世代は、祖父母の世代の不信の罪から、神を信じ従うことを学びます。これからカナンの地を攻め取っていきますが、恐れずに前進する決意が必要です。

神は約束を守る方

次に神がモーセを通して語られた過去の出来事は、イスラエルの十二部族からそれぞれ指導者が選び出されたときのことです。出エジプトで記されている出来事なのですが、モーセがイスラエルの全ての人々の問題や悩みに対して、一人で対応していたためです。

モーセは人々の問題のために日々、神に祈り答えをいただき、人々に導きを与えていました。この仕事のために、モーセのほとんどの時間が費やされていました。

それを見たモーセの妻の父、舅にあたるイテロがモーセに助言をします。舅イテロは、このままではモーセが疲れ果ててしまい、約束の土地カナンに人々を導くという、肝心の使命に支障が出ると判断しました。舅イテロはモーセに、人々の中から指導者を選び出して、彼らと仕事を分担するように教えます。

この出来事を通して、モーセ一人で指導できないほど人々が増え広がっていたことがわかります。まだ約束の土地カナンに入る前ですが、神はアブラハムをとおして語った、子孫を空の星の数ほどに増やす、という祝福を始めています。

荒野での旅は、水や食料の不足を心配したり、人々が罪を犯したりと大変なこともたくさん記されていますが、神の祝福の約束は取り消されることはなく果たされていきます。

心に留めておかなければならないのは、人々が増えたと同時に問題も起きているということです。神の祝福と共に、その祝福を適切に管理する知恵や力が必要になることを、覚えておきたいと思います。

選び出される指導者

イスラエルは十二の部族があったので、それぞれの部族から知恵があり思慮深く、また経験に富む人々が、指導者に選ばれていきました。部族ごとに千人をまとめる隊長、百人隊長、五十人隊長、十人隊長が任命されていきます。

重要で難解な事例はモーセが担当し、それ以外はそれぞれの指導者たちが担当していきます。現在に当てはめると、内閣総理大臣や国務大臣、都道府県知事、市長や村長が選ばれると言ったところでしょうか。

選ばれた指導者たちは皆、問題の裁き方の指導を受けていきます。同民族であっても他民族でも、よく双方の言い分を聞き、どちらかを偏って見ることがないように、また身分の違いに惑わされ、どちらかの顔色をうかがってはならないと命じられます。

問題を裁くときに、人を恐れたり、自分の評価を気にして、不平等があってはいけません。神の基準に沿って善悪を判断し裁くことで、平和に問題を解決することができます。また神は律法を通して、細かく裁きの基準を人々に授けていきます。律法は人々が祝福を適切に管理し、幸せに暮らすためのものです。

救われた者の使命

イスラエルの人々は、これから神の約束の土地カナンを攻め取り、その祝福の土地で神が支配する、世界中の模範となる聖なる国を建てなければなりません。

イスラエルの人々は、神に選ばれた祝福を受ける民族だと自覚し、神に従う必要があります。キリストを信じる私たちも同じです。イエスキリストが自分の罪の身代わりとなってくださったことを信じた者は、人々に神を伝える使命が与えられています。

キリストによって救われたなら、聖書をとおして神の愛と罪による裁きを学び、神に従い祝福を受けて、人々に伝えていくのです。

祝福を受ける時、イスラエルの人々のように問題も起きてくるかもしれません。

それぞれのリーダーに知恵と力が与えられたように、私たちも祝福を適切に管理するために、知恵と力を神に祈り求めなければなりません。

祝福を管理する

神から与えられる祝福は様々です。神の性質を現す、愛、喜び、平和、寛容、慈愛、善意、誠実、柔和、自制といった霊的また人格的なものだけでなく、物質的な祝福も与えられます。

心の傷や病気が癒され健康を手にする、結婚や出産で家族が増える、仕事に成功しキャリアを手にする、財や富が増える、地位名誉を得る、夢がかなうなど、思いもよらない良い事があるかもしれません。

その時に、手に入れたものを適切に管理し、守る責任が出てきます。イスラエルの人々がこれから約束の土地カナンを手に入れるように、キリストを信じる私たち一人ひとりにも、たくさんの祝福が用意されているはずです。

神がどんな良い物をくださるのか、期待で胸が膨らみます。神が与えてくださるものがあまりにも素晴らしくて、自分にはもったいないとか、自分はふさわしくないなどと、尻込みするほどかもしれません。神を信じて恐れずに手にしていきたいですね。

また同時に、祝福を適切に管理する知恵と力を、神に祈り求めていきましょう。神は私たちに祝福と一緒に、ふさわしい能力を与えてくださいます。

祝福を手にするために、聖書を通して神の愛を学んでまいりましょう。

ここまで読んでくださってありがとうございます。また次の記事でご一緒できることを楽しみにしています。皆さんに、神の守りと祝福があることをお祈りしています。

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