申命記⑫十戒 親との関係

十戒のおさらい

前回から、イスラエルの人々が、神から命じられた十戒を再度確認しているところを学んでいます。人々は、これから約束の土地カナンに入り、神に命じることに従って生活をしなければなりません。神に従い、神の祝福を受けて、全ての民族に神の存在と愛と力を証明するためです。

エジプトで奴隷として虐げられていたイスラエルの人々は、神の愛と憐みによって助け出されました。その神の愛に応えて、神の命じることに従い、神に選ばれた民族として生きることが求められます。神は神に従うなら人々を祝福し、神の与えた土地で幸せに暮らすことができると約束します。子孫代々に渡って神に従うことを守るならば、祝福が途絶えることはなく、民族として末永く繁栄するのです。

これから神の与える土地カナンを攻め取るイスラエルの人々は、神から祝福された生活を送るために、神の与えた十戒を学んでいます。

前回は、神を愛することに関する四つの戒めを学びました。今回は、人を愛することに関する戒めの一つである、両親との関係を学びたいと思います。

今日のおやつは、ティラミスです。神の祝福を感謝し、神の言葉を分かち合いたいと思います。

あなたの父と母を敬え

十戒の前半四つは、神を愛することに関するものです。神との関係を通して神の性質と愛を理解すると、人を愛することに関する戒めが自然と理解できるようになります。今回は、後半の人を愛する戒めの一つを、振り返ってみたいと思います。

Ⅴあなたの父と母を敬え。
人との関係の初めに出てくる戒めが、両親との関係です。人間にとって生まれてから一番近い存在が両親です。両親は子供が自立するまで、たくさんの犠牲を払って世話をします。子供は両親のこの犠牲に敬意を持つべきだと教えています。

よく子供は、自分一人で成長したと思っているかのように、両親に反抗する時期がありますし、また家庭や環境によっては、その反抗が長く続くことがあります。ですが、神は子供に対して、両親がいなければ成長することはできなかったと、謙遜になることを教えています。

また聖書では、たくさんの所で、神が与えた権威に従うように教えています。子供は、神が与えた親という権威を持った両親を敬い、従わなければなりません。

育ててくれたのが実の両親ではない場合もありますが、神が両親の代わりとして与えた権利には、同様に敬うことが含まれています。

傲慢は破滅に

神は子供が謙遜になって、両親の権威を敬うことを喜ばれます。反対に神は傲慢を厳しく罰します。「人の心の高慢は破滅に先立ち、謙遜は栄誉に先立つ。」と聖書は教えています。この教えの通りに、両親を敬わない高慢な者の裁きは、破滅であると書かれています。

「自分の父または母をののしる者は、必ず殺されなければならない。」
「父または母をののしる者、そのともしびは、闇が近づくと消える。」
「自分の父をあざけり、母への従順をさげすむ目は、谷の烏にえぐり取られ、鷲の子に食われる。」

両親をあざけり、さげすみ、ののしることは、死刑にあたる罪です。またその死体が烏や鷲についばまれるというのは、誰にもその命を尊ばれることなく、埋葬もされず、放置されることを意味します。

一方で神は、この戒めを守り父と母を敬うならば、神が与える土地で、幸せに長く暮らすことができると約束しています。

神は滅びという厳しい裁きを下すほどに、両親を敬うことを命じています。

家庭を平和に

神は家族を健全に機能させることを望んでいます。そのために、子供が両親を敬うことは欠かせないと教えています。また、家庭を健全に保つためには、子供だけではなく親にも責務があり、親は子供を正しく育てるように教えています。

「父たちよ。自分の子どもたちを怒らせてはいけません。むしろ、主の教育と訓戒によって育てなさい。」と教えています。親がその権威を振りかざして、子どもの尊厳を侵害し、子供が反抗するような行いをしてはいけないと教えています。

また仕事や社会で監督者として成功するための条件として、「自分の家庭をよく治め、十分な威厳をもって子どもを従わせている人でなければなりません。」とあります。神に従い家庭を上手にまとめることは、社会的な祝福につながります。

神は、親と子供が共に神が与えた戒めを守り、家庭を円満に保つことを命じています。家族という集まりがそれぞれ健全であれば、集合体となった地域がが上手く機能していきます。地域がまとまっていれば、国が、そして国から世界が正しく機能します。

神のご計画は、神が造られた全ての人に祝福が広がることです。そのために一人ひとりに、家族という身近な人間関係を大切にすることを命じています。

罪の身代わり

全ての人間に罪があるので、親であっても間違いを犯します。また子供も分別のつかない間は、両親の労苦を知らずに、心無い事を口にすることがあります。子供が両親を敬うことも、親が威厳を持って子供を従わせることも、罪ある人間が簡単に行えるものではありません。

罪によって親子が傷つけあい、家庭が崩壊することもあります。人間は罪によって神に従えず、滅びに向かっています。全ての人に罪があり、全ての人が神の裁きの対象です。

この罪の滅びから救ってくださるのは、イエスキリストだけです。全ての人間の罪の刑罰、十字架刑を受けて下さったのです。自分の罪を認めて、イエスキリストの身代わりの死と、死からのよみがえりを信じて受け取るなら、罪が赦されます。

この神の愛と救いを受けて、心と体が癒されていき、心に感謝と平安が与えられます。神の愛によって子は親を敬い、親は子の尊厳を守るようになり、家庭が回復していきます。神の祝福を体験することができます。

広がる神の祝福

神の計画は、各家庭から、地域、社会、世界全体を祝福することです。イスラエルの人々は、偽物の神を信じる他民族に、神の祝福を証明し、全民族を本物の神に立ちかえらせることです。人間一人ひとりが神に従い祝福を受けると、その祝福は周りに広がっていきます。

傷ついた経験によって、自分を大切にできない、愛せない人は少なくありません。自分には、神の祝福を受け取る価値がないと思う方もいらっしゃるかもしれません。神は、「わたしの目には、あなたは高価で尊い。」と、心から愛してくださいます。神の目から見て、価値の無い人などいません。神は全ての人を祝福し、世界中を神の愛で満たしたいと思っています。

キリストは癒し主

イエスキリストは、全ての人の罪を赦すために十字架で死んでくださいました。キリストが受けた打ち傷によって、全ての人の痛みが癒されたと書かれています。キリストは、骨がむき出しになるまで鞭で打たれ、茨の冠の鋭い針で頭部を貫かれ、苦しんで死なれました。その苦しみは、私たちの痛みを癒すためです。

同じように苦しみを経験した神は、私たち一人ひとりの痛みを理解してくださいます。傷つき苦しみ立ち上がれない時、乱暴に戒めを守るように命じるお方ではありません。

神はイスラエルの人々に戒めを命じる前に、神の愛と憐みによって人々をエジプトから救い出しています。神は傷ついた私たちに命令を与える前に、愛と憐みで全ての心と体の痛み、病、苦しみを癒してくださる方です。是非、神の愛と癒しと赦しを受け取っていただきたいと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございます。また次の記事でご一緒できることを楽しみにしています。皆さんに、神の守りと祝福があることをお祈りしています。

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